船は、海賊の楽園『リバタリア島』に入った。
 エメラルドのように美しい湾の中心に入ると、船は錨を下ろし、陸を遠望したまま停まった。
 水が浅いのだろう。陸にはボートで上陸するようだ。

「うわ、けっこう人いますね」

 アルフォンソが勝手にあなたの望遠鏡をとって、町を見ている。

 白いシャツに皮の胴着、黒い半ズボン。アルフォンソには古装がよく似合った。剣帯に吊るしたサーベルや飾り帯に差したピストルが様になっている。

 あなたもまた羽根つきの三角帽をかぶり、幅広の袖のついた濃紺のコートを着ていた。胴の飾り帯には二挺のピストルがはさんである。

 ハリウッドの海賊と違うところといえば、腕のコンパスだ。
 一見腕時計に見えるそれは、あなたが眠ってしまった時、それを審判に通報する発信機となっていた。

「いよいよだな」

 ロビンとエリックが武器や弾薬の袋をボートに詰め込んでいる。
 この湾にボートをおろし、漕いで陸地にむかう。それが宝探しゲームのはじまりだった。

「川の水は飲めます」

 スタッフが最後の確認にくる。

「飲食物に眠り薬は入っていません。水分はきちんととってください。腕のコンパスは外さないで。それを外すと失格です」

 ご主人様、キースがそばでささやく。

「彼らに先制をかけましょう」

 キースの目線をたどると、JJのチームがふざけあいながら、ボートに荷を積み込んでいる。

「この湾のなかで攻撃して、撃破してしまいましょう。さっさと片づければ、あとがラクです」

 キースの目は真剣だった。
 その時、いきなりスピーカーから芝居がかった声が響いた。

『たいへんだ。海軍が襲ってきた。諸君を一網打尽にする気だ。逃げる手立てのある者たちは今すぐ出発せよ。今すぐ出発せよ』

 キースがあなたを見つめる。
 あなたは船長として、判断をくださねばならない。


キャプテン・、どうします?
⇒いまは海軍から逃げる
⇒JJのチームを襲撃する




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